さらり、と
手から零れていく
「・・あの、」
「やだ」
「・・まだ何も言ってませんよ」
「髪を放せ、って言うんだろ?
お断わりだな」
「はぁ・・・」
闇を凝縮したような、長い髪
「・・まだ、伸ばすのか」
「いいえ、でも
痛んだところは佐助に切ってもらっているので、長さは変わりませんよ」
成る程、たしかに毛先まで手入れが行き届いている
あの世話好き野郎め、と心中で舌打ちしてから、すっと紐を解いた
「政宗さま?」
はらりと髪が広がる
「緩んでたから、直してやるんだよ」
一本一本が細く、絹のような肌触り
一房持ち上げて、口付けてみた
「?
食べても美味しくないと思いますよ?」
「・・・馬鹿」
唇だと怒るくせに、どうしてそんな天然の反応をみせるんだ、と
本気でこいつの『破廉恥』の基準を聞いてみたくなったが、ぐっと堪える
それよりも
今は目の前にある華を愛でるべきだ
その目も、声も、身体も、心も、
すべて
きつく縛った
「出来たぜ、紗羅」
全部、手に入れてみせる
手放したりなんか、してやらないんだからな!
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後半ぐたぐた
ずびまぜん←
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