いつかお話しましたよね
わたしが夢を視たときは、必ず
わたしは独りになっている、と
アレは誰との約束だったのかしら
佐助が久しぶりに奥州の視察に来たから、城へ一緒に帰った
城は異常に静かだった
「・・政宗様・・・?」
誰も 居ない
この静けさを、わたしは知っている気がして
余計に寒気がした
「いや・・いやっ・・・! 嘘 わたしは また・・・?!」
思わず駆け出そうとしたら、後ろから肩を捕まれた
「姫さん」
落ち着いた声
ゆっくりと振り返った
「佐助・・?
ねぇ、どうして驚かないの?
誰も居ないんだよ?」
無表情に、わたしを見ていた
「そうだね、誰も居ない」
ゆっくりと距離を縮める
「心配いらないよ」
「どういう事・・?」
「てこずってるみたいだから、手伝ってあげたんだ」
「・・え」
「だって、姫さんの一番は真田の旦那だよね?」
竜に呑まれてしまいそうだったから
心配で
「でも、」
「でも、 何?」
ほら 今だって
そんな顔して
独眼竜を思ってる
だから
早く消したかった
「さ、帰ろう?
真田の旦那の元へ」
笑顔で血塗れの手を差し出した
「紗羅姫」
それは誰の血?
俺が見つけた
君の闇を
拡げてみたくなりました
竜の嘘つき
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