馴れ親しんだ 闇
「やっぱ手慣れてるね」
「あら佐助、仕事は?」
「姫さんに先を越されちゃったよ」
「あ、ごめんなさい」
「いーよ
それより、ソレの処理手伝おうか?」
肉の固まりを指さす
「うん、お願い」
俺は改めてその山に目を向けた
むせ返るような血臭
綺麗に切り刻まれた、ヒトだったモノ
これを創りだした少女にはやはり、紅が似合う
「また腕をあげたんじゃないの?」
「そうかな」
武器に付いた血を拭い取りながら、答える
「うん、また強くなったね」
「じゃあ今度手合わせして?」
「お手柔らかにね」
まさか、こんなに強くなるとは
あの時は予想してなかった
「その子、旦那が引き取るの?」
「あぁ、お館様も良い経験になる、と仰っておられたからな」
「ふぅん」
ふと、旦那の隣に座っている少女と目が合った
その瞳は、常人には到底映せない深い闇を俺に見せてくれた
だから俺は、
「・・・この子、きっと強くなるよ
俺様も旦那に協力してあげる」
「それは誠か!
佐助が一緒ならば心強い 」
旦那が喜んでくれてる間も、俺は少女から目が離せなかった
「名前は?」
「・・・紗羅」
一度捕らえられたら、二度と逃げられない
だって、俺と君は似た者同士
闇に生きる運命だから
・・・・・・・・・
続くかもしれない
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