特徴。。。
平安時代や戦国時代が大好き
忠誠、戦闘、主従、騎士、武士、
対、などの単語にときめきを感じる
淑女からは程遠いダメ人間
頭の中を響き渡る声に、目眩と吐き気を覚える。
視界の全てが紅く染まり、無意識に屈んで小さく身体を縮めると、嫌でも紅い花が目に入ってきた。
それと、誰かの声が。
「いや・・嫌、い・・やぁ・・・」
耳を、目を、感覚を断ち切っても、ソレは脳に焼き付いて離れない。
御免なさい、と必死に謝る声。
何度も何度も、聞いてるこっちが狂ってしまいそうなほど悲痛な声で。
闇の中に在る、無数の屍に向って誰かが泣きながら謝っている。
その中でも一際目立つ『紅』が何故か無性に恐かった。悲しかった。
聞きたくない。見たくない。こんなの知らない。
消えて欲しいのに、消えてくれない。
「嫌………嫌…嫌、嫌、嫌ッ――」
もう苦しめないで、赦して、殺してよ・・・
「御免なさい・・御免なさい・・・・御免なさい」
いつの間にか紗羅の口が動いている。
花に埋もれながら、必死に謝罪の言葉を繰り返す。
焼き付いた記憶はどんな楽しい記憶より、辛い思い出より、鮮明に傷を作り、深く深く刻み込んでくる。
「・・・何で、苦しむんだ?」
「--あ・・・・・たすけ、・・・・・」
腕を伸ばして縋る、最も愛しい人。
助けて。タスケテ。たすけて・・・
「消えない、解らない・・・!!―――もぅ、や・・・どうしてわたしが・・・」
どうして大嫌いな『紅』に懐かしさと、愛しさを感じるのか。
何故築き上げられた屍の山に謝罪を繰り返すのか。
聞こえてくる声が、自分のものである理由を。
ねぇお願い、愛しい人。
この記憶を消して、わたしを紅い世界から救ってよ。
夜中に恋人の呼吸が乱れ、過呼吸になる理由。
それはあの悪夢のせいだ。
いや、その悪夢は俺のせい。
「sorry、紗羅。俺のせいだ、俺があの時お前を壊したから・・・・っ」
俺だけが覚えている、記憶。
人の命を奪って生きる事が当然だった、あの時代の。
「・・・それでもやっぱり、俺はお前を・・・」
愛する事しか、できないんだ!!!
・
続きます。次は伊達の独白のカタチで。
どこか、いつか
気付いていたような気がする
闇からは決して逃れられぬ、と
それでも、
光は眩しくて
優しいカタチでした
「紗羅は、どこだ!」
今は昼下がり。
昼飯の支度を終えた佐助は、門の方の騒ぎに聞き覚えがある声を認め、
騒ぎを鎮めるべく、門へ向った。
「お約束がなければ・・・困ります!!」
「うるせぇっ!それどころじゃねーんだよ、どけ!」
「なりません・・・!」
やはり、騒ぎを起こしていたのは奥州の昇り竜、伊達政宗。
約束をしていないが、急用があるらしい。
彼の迫力に負けたのか、門兵はすでに及び腰だ。
溜息をつき、ゆっくり足を踏み出す。
「ちょっと、近所迷惑なんだけど?何の用?」
「good timing!真田に用があるんだ、通してくれ」
「旦那は今大将のトコロ。俺でよければ用聞くから、付いてきて」
「よし」
所変わって、佐助の部屋。
政宗はほんとうに急いできたらしく、珍しく肩で息をしていた。
その呼吸が整えられるのを待って、佐助は口を開いた。
「で、何の用?」
そして冒頭に戻る。
「何のこと?」
「とぼけるなっ!約束の日はとっくに過ぎてんだぞ!」
「そう言われてもねぇ・・・」
あの娘も旦那に似て猪突猛進だから、直ぐどっか行っちゃうの と
冗談混じりに付けたした。
ちなみに、政宗の言う「約束」とは、彼が紗羅を娶るときに出した条件の事である。
3ヶ月に1度、7日間は武田に戻っていい。
しかし約束の7日はとっくに過ぎており、更に3日待ってみたが音沙汰なし。
さすがに心配して、こうして駆けつけてきたというわけだ。
「お前は」
「ん?」
「いつも紗羅のお守りをしてるじゃねぇか」
「いつも、ってワケじゃないよ。 俺にも仕事があるからね」
「そう、か・・・」
門の前で吼えていた威勢はどこへ。
佐助の言葉を信じて帰るのかと思いきや
「言え、狡賢い猿が」
威圧的な刃を喉元に突付けた。
「何の話?」
「全てお見通しだ。紗羅は何処にいる」
言葉を怒気に震わせながらも、刃は微塵も揺るがない。
少しでも動いたら、確実に佐助の首は飛ぶだろう。
「知らないよ。居ないってさっきから・・」
「悔しいんだろ?」
言葉を途中で遮り、はっきりと口にする。
「先に愛したのに、奪われて」
一瞬、佐助の表情が全て消えた。
そして次の刹那、笑い声が部屋中に響き渡る。
「そうだよ、その通り!
俺の方が先に愛したんだよ!!だから、」
だから
「隠したよ、姫は」
俺だけを、愛 してほしいから
(俺しか知らない、紅い花に埋もれてる)
・
貴方の狂気に気が付いたのは
何時だったのかしら