一番最初に教わったのは、表情だった
「どうしてお前は笑わぬのだ」
「・・・兄様?」
「まるで佐助のようだ」
それは出会って間もないころ
「・・って、兄様に言われて落ち込んだっけ」
「あー、そんなこともあったね
姫さんが俺に泣き付いてきて、旦那は不貞腐れちゃったんだっけ?」
「な、泣き付いてなんか!」
「可愛かったなぁ、」
「佐助っ!!」
「はいはい
・・俺もさ、旦那の前だと偽れないんだよね」
「佐助でも無理なの?」
「何ていうか、旦那はそういう事に鋭いんだよねぇ」
「本当に、ね・・
隠しても、すぐばれちゃう」
「でしょ?」
「それでもやっぱり、隠さなきゃいけないこともあるから」
「うん」
積み上げられた屍や、血に塗れたこの身体とか
「 、偶に笑えればいいわよね」
あの人の前で
忘れてしまわぬように
一番最初の笑顔は、貴方に