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夢は尽きる事なく、永遠に
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2025/09/10 (Wed)
甘い 甘い
その香は
誰の為?




「・・お前な、人ん家で何やってんだよ」

「あ、政宗様
何って、お菓子を作ってますが」

朝、台所を覗いてみたら、甘い香が漂ってきた

「そんなことは見れば分かる
俺はな、どうしてこんな朝っぱらから俺の家で、お前がそんなことをしてるんだ、って聞いてんだ」

「だって、こっちの方が使い勝手がいいんですもの」

きっぱり言い切った

「・・俺への嫌がらせか」

その甘い香は
アイツのため

「それもありますが、此処の方が使い勝手がいいんですよ」

喋る間も、その手は休まることなく
次々と菓子を作り出している

「俺はな、お前に嫌がらせされるために合鍵を渡したわけじゃないぞ」

「貰ったものをどう使うかはわたしの自由です」

「・・・言うようになったな」


机に並べられていく菓子
見ているだけで胃が痛くなってくるが
アイツはどうして
こんなものが好きなんだろう、と
ふと思った


「お前も好きななのか」

「えぇ、好きですよ」

そう言って、クッキーを1つ口に入れた
そして、また1つ

「貴方はどうして嫌いなんですか?」


ふわりと甘い香を纏って
聞かれたから

思わず手が出た


「・・・・っ!
政宗様っ!」

「俺は甘いものは嫌いだが、甘いお前は好きだ」

「珍しく真面目な顔してそんな浮事言わないでください
本気で殺しますよ?」



何となく、アイツが甘党な訳が分かった気がした


君の作る菓子はすごく甘くて

君は少し辛いんだ


・・・・・・・・・・

なんかぐたぐた
そのうち修正します
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2008/08/17 (Sun) 短編 Comment(0)
馴れ親しんだ 闇


「やっぱ手慣れてるね」

「あら佐助、仕事は?」

「姫さんに先を越されちゃったよ」

「あ、ごめんなさい」

「いーよ
それより、ソレの処理手伝おうか?」

肉の固まりを指さす

「うん、お願い」


俺は改めてその山に目を向けた
むせ返るような血臭
綺麗に切り刻まれた、ヒトだったモノ

これを創りだした少女にはやはり、紅が似合う


「また腕をあげたんじゃないの?」

「そうかな」

武器に付いた血を拭い取りながら、答える

「うん、また強くなったね」

「じゃあ今度手合わせして?」

「お手柔らかにね」


まさか、こんなに強くなるとは
あの時は予想してなかった




「その子、旦那が引き取るの?」

「あぁ、お館様も良い経験になる、と仰っておられたからな」

「ふぅん」


ふと、旦那の隣に座っている少女と目が合った
その瞳は、常人には到底映せない深い闇を俺に見せてくれた
だから俺は、

「・・・この子、きっと強くなるよ
俺様も旦那に協力してあげる」

「それは誠か!
佐助が一緒ならば心強い 」

旦那が喜んでくれてる間も、俺は少女から目が離せなかった

「名前は?」

「・・・紗羅」


一度捕らえられたら、二度と逃げられない

だって、俺と君は似た者同士
闇に生きる運命だから



・・・・・・・・・

続くかもしれない
2008/08/15 (Fri) 短編 Comment(0)
いつかお話しましたよね
わたしが夢を視たときは、必ず


わたしは独りになっている、と




アレは誰との約束だったのかしら





佐助が久しぶりに奥州の視察に来たから、城へ一緒に帰った

城は異常に静かだった

「・・政宗様・・・?」


誰も 居ない
この静けさを、わたしは知っている気がして
余計に寒気がした

「いや・・いやっ・・・! 嘘 わたしは また・・・?!」

思わず駆け出そうとしたら、後ろから肩を捕まれた

「姫さん」

落ち着いた声
ゆっくりと振り返った

「佐助・・?
ねぇ、どうして驚かないの?
誰も居ないんだよ?」

無表情に、わたしを見ていた

「そうだね、誰も居ない」

ゆっくりと距離を縮める

「心配いらないよ」

「どういう事・・?」


「てこずってるみたいだから、手伝ってあげたんだ」

「・・え」

「だって、姫さんの一番は真田の旦那だよね?」

竜に呑まれてしまいそうだったから
心配で

「でも、」

「でも、 何?」

ほら 今だって
そんな顔して
独眼竜を思ってる
だから
早く消したかった


「さ、帰ろう?
真田の旦那の元へ」

笑顔で血塗れの手を差し出した


「紗羅姫」



それは誰の血?



俺が見つけた
君の闇を
拡げてみたくなりました



竜の嘘つき
2008/08/15 (Fri) 短編 Comment(0)

「救ってくれるなら、全部あげるわ」

「それは、姫さんの心も?」

「もちろん」


だから、早く


わたしを紅い鎖から解放して
脳裏に焼き付いた蒼い龍を殺して



狂ってしまう前に
2008/08/15 (Fri) 短編 Comment(0)
貴方は

強い? それとも 弱い?







尖った刄を貴方の目元に突き付けてみた



「Stop、そっちには何もないぜ?」



右目の眼帯を軽く刺した



「えぇ、知ってます」



そのまま首へ



「怖くないんですか?」



「あぁ、全然」



「・・つまらない」



「そう言われても困る」



はぁ、とため息を吐いて

諦めて刀を下ろした



「いつもいきなりなんだよな、お前は」



「何のことですか?」



「今みたいに急に俺を殺そうとしたり」



「あら、殺すだなんてとんでもない」



笑いながら言った



「よく言うぜ

眼が本気だったのによ」



「そうですか?」



笑ったまま



「ならば、もし」



「?」



一瞬、間が空いた



「・・もしも俺が怖いと言ったら、どうする」



「殺しますよ」



間髪入れずに、答えた



「やっぱりな」



「何がです?」



納得できない様で、頬を膨らませている

そんな仕草さえ愛らしいと思うが



「殺すんだろ?俺を」



「もちろんです

弱い貴方には興味ありませんし、何より、幸村兄様と仕合う資格はありませんから

わたしが、殺してあげます」



「・・・なるほど、な」





だって、事実でしょ?







君は瞳に殺意を映して



俺はそんな瞳に魅入られた







弱い貴方に価値はないの



強いからこそ、



殺し甲斐があるわ!

2008/08/13 (Wed) 短編 Comment(0)
愛してる

愛してる



君を夢に視る程



愛してる







「なかなかの夢だった」



隣でうたた寝をしていた貴方が、幸せそうにこちらを向いた



「どんな夢だったのですか?」



「お前に殺される夢」



「・・・はい?」



「だから、お前が俺を殺したんだよ」



貴方の表情は変わらない



「お前が嬉しそうに俺を刺し殺した」



「・・わたしが、貴方を、刺した?」



「あぁ、俺の血で体を紅に染めて、笑ってた」



「嫌な夢、ですね」



「いや」



思わず苦笑いをしてしまった



「それほど嫌じゃなかったぜ?」



「どうして」



「夢で俺は抵抗しなかった」



ゆっくりと、貴方の指がわたしの頬をなぞっていく



「それにな、俺は真田幸村以外にお前になら殺されても本望だ」



「・・・・」



指がゆっくり首に触れる

びくっと震える身体

心配そうに見上げてくる瞳

そのすべてが愛しくて

そっと耳元で囁いた



「・・・嘘だ

本当は、俺がお前を殺す夢だった」









それはそれは嬉しそうに

俺がお前を







君の血で、俺は真っ赤











夢の世界は紅く染まって

ほら



君が大好きな紅だよ







なんて幸せ









・・・・・・・・



ごめんなさい

BASARA夢です

2008/08/12 (Tue) 短編 Comment(0)
自分の、悲鳴にも似た声が聞こえた気がして、目を覚ました。

外はまだ暗く、夜も空けていないらしい。



「・・・何て、嫌な、夢・・・
 あぁ、この人のせいね・・・」



何かと思えば、横で眠るその男が紗羅の手をきつく握っていた。



「どうりで、あんな夢を視るわけだわ・・・」



この男と、幸村兄様の、決着の時を、夢で視た。

二人とも、それは晴れた笑顔で、とても楽しそうだった。

二人が、己の総てを刃にのせて、真正面からぶつかり合って・・・

そこで、目が覚めてしまった。



「っもう・・・貴方のせいですからね!!」



中途半端に目覚めてしまった事への怒りで男の手を振り解きそうになり、寸前のところで思い留まった。

過去に、男の睡眠を邪魔して、碌な目に遭っていない事を思い出したからだ。

あるときは、無理やり舞を舞わされたり、またあるときは、体力が尽きるまで剣の相手をさせられたり・・・。

おまけに、もれなく嫌味も付いてくる。

紗羅は一つ溜息を零して、少し起き上げた体を再び横たえた。



「・・・絶対、幸村兄様が勝つに決まってる、そう、決まってるのに・・・
 どうして、こんな思いを抱いてるのかしら・・・」



眠ったままの男に視線を向ける。

整った顔立ち
漆黒の髪
眼帯を着けたままの、右目



「・・・ねぇ、どうしてかしら?」





(今なら、)

いつも心の片隅にある、その思いが溢れだした。

紗羅の短刀は、いつも通り枕元に置いてある。

少し手を伸ばせば、簡単に取る事ができる。

少し、手を伸ばした。

刀の柄が軽く指先に触れ、僅かに躊躇ってから其れを取った。


慣れ親しんだ、ひんやりして鈍く光る刃。
手にしっくり来る、この感触。

(これが、わたしの、)


寸分違わず、首を狙った。






「Stopだ、紗羅」

「あっ・・・・!」


男は、簡単に紗羅から短刀を奪った。


「ったく・・・危なっかしいな」


かちり、と鞘に刃が収められた。


「いつから、気付かれていらしたのですか?政宗様」

「お前が俺の顔を眺めてるときから」

「ならば、言ってくだされば良かったのに・・・」

「あぁ、口付けでもして目を覚まさせてやれば良かったな」


恐ろしいほど冷たい目をしている政宗を、紗羅は直視できなかった。

だから、貪られるままに身体を彼に任せた。


「首を、狙ってたんだろ・・・?」


僅かな呼吸の間に問われても、答えるにはあまりにも短すぎて。

答えたくても、心の中がぐちゃぐちゃで。


幸村兄様のために、政宗様を殺したいのに

でも、幸村兄様は政宗様と闘いたがっていられて

政宗様の首は、幸村兄様がお取りになられるはずだと、分かっているのに

あの夢が、あまりにも鮮明すぎて

どうしてだか、政宗様に死んで欲しくない等と思ってしまって

もちろん、幸村兄様にも死んで欲しくなくて

決着が着かなければいいのにと、願ってしまって

あまりにも、矛盾した思いを抱いてしまって

もう、分からない


「・・死なないで、って・・・」

「なら、どうして俺の首を狙った」

「・・わからな、っい!!分からないのよ!
 それが、わたしの、やくめ、だからっ・・・!
 貴、方の首を、取る、事が・・・ゆき、むら兄さまの、ためにっ!!!
 でも、」

「でも?」


貴方は意地悪げに口の端を持ち上げて笑った。


「貴方は、兄様に、倒されるべきで、でも、わたしは・・・貴方にも死んでほしくなくて・・・っ!!」


それを聞いた政宗は、少し驚いたような表情をして、そして満足そうに笑った。

紗羅が、自分を想ってくれている。

彼女の中の一番は変わらずとも、やっと自分も意識してもらえた事に対する、満足。

そして、自分の心が分からなくなっている紗羅を抱ける、優越感。

やっと、


「分かってるじゃねーか。
そう、この首は真田幸村との決着が着くまで、誰にもやらねぇ。
だから、渡せねーな」

「分かって、ますっ・・・・!!!」




(自分の矛盾くらい、分かってる。でも、わたしは)

(あと少し、もう少しで紗羅はきっと俺に堕ちる)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後半ぐたぐたでごめんなさーい



2008/07/01 (Tue) 短編 Comment(0)
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